妊活を始めたけれど、「毎日の妊活がしんどい」「義務的な夫婦生活にプレッシャーを感じる」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
妊活には、義務的な性行為や夫婦間の温度差、周囲からのプレッシャーなど、多くのストレス要因が存在します。こういった「妊活ストレス」が、毎日のしんどさに繋がっている可能性があるのです。
本記事では、毎日の妊活がしんどいと感じてしまう6つの理由を詳しく解説し、夫婦でできる具体的な改善策を紹介します。
また、実際にしんどい妊活を乗り越えた方の体験談も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
毎日の妊活がしんどい…ストレスが与える妊活への影響とは

「妊活がしんどい」と感じると、焦りや不安からストレスが溜まってしまいます。
このストレスが妊娠しにくい体を作る原因になっている可能性も指摘されており、体にさまざまな悪影響を与えかねません。
ここでは、ストレスが妊活へ与える主な影響を3つ解説します。
- ホルモンバランスが乱れる
- 自律神経が乱れる
- 排卵への影響
ホルモンバランスが乱れる
過度なストレスは、妊娠に必要なホルモンの分泌を妨げてしまう可能性があります。具体的には、排卵を促す黄体形成ホルモン(LH)や卵胞刺激ホルモン(FSH)の分泌が抑制されることなどが挙げられます。
これは、ストレスを感じると分泌されるコルチゾールというホルモンが、女性ホルモンの分泌を邪魔してしまうためです。
実際に、慢性的なストレス状態にある女性は、そうでない女性と比較して黄体プロゲステロン値(子宮内膜を厚くし、妊娠を維持する効果がある女性ホルモンの一種)の低下が見られたという研究結果もあります。
なお、プロゲステロンの値が低いと黄体機能不全(子宮内膜が十分に成熟せず、受精卵が着床しにくくなる状態)と診断される場合があるため、注意が必要です。
参考:Perceived Stress, Reproductive Hormones, and Ovulatory Function A Prospective CohortStudy
自律神経が乱れる
ストレスは、心臓の鼓動や血圧、消化などを司る自律神経にも大きな影響を与える可能性が指摘されています。
自律神経には、活動時に働く交感神経と、リラックス時に働く副交感神経があります。ストレスを感じると交感神経が優位になり、体が常に緊張した状態になってしまうのです。
そうすると、全身の血流が悪くなり、頭痛やめまいなどの症状が現れる可能性が高まります。また、消化器系への影響により胃もたれや便秘・下痢といった症状が出る場合もあります。
排卵への影響
ストレスが続くと、排卵がスムーズに行われなくなることがあります。慢性的なストレスを抱えた女性は、そうでない女性と比べて排卵率が約30%低下したという研究結果も出ています。
それ以外にも、卵胞という卵子を包む袋の発育の遅延や、排卵直前に起こるホルモンの急増(LHサージ)が弱くなることで、排卵検査薬への反応が少なくなるなどの影響が現れる可能性も指摘されており、注意が必要です。
ストレスにより排卵が遅れたり、最悪の場合全く起こらなくなったりする(無排卵)こともあり、ストレスの影響は深刻な問題となっています。
参考:Perceived Stress, Reproductive Hormones, and Ovulatory Function A Prospective CohortStudy
「毎日の妊活がしんどい」と感じてしまう6つの理由

毎日の妊活がしんどいと感じてしまうのはなぜでしょうか。ここでは、多くの人が「しんどい」と感じてしまう6つの理由を紹介します。
- 終わりの見えない不安
- 夫婦間の妊活への温度差
- 義務的な性行為への嫌悪感やプレッシャー
- 仕事との両立についての悩み
- 周囲との比較によるプレッシャー
- 経済的な不安
1.終わりの見えない不安
妊活で最もつらいのが「いつ妊娠できるか分からない」という不安です。どれだけ努力しても結果が出ない状況が毎日のように続くうちに、精神的に疲れ果ててしまう人が多いのです。
特に女性は、毎朝の基礎体温測定や排卵検査薬の使用、そして生理が来るたびに感じる「今月もダメだった」という失望感を日々味わうことになります。さらに、年齢を重ねるにつれて焦りが強くなる傾向があります
毎日努力を重ねても結果が出ない日々が続くと、精神的な負担も大きくなっていくものです。
先の見えない不安を毎日抱えながら過ごすことは、想像以上に精神的なエネルギーを消耗してしまうでしょう。
2.夫婦間の妊活への温度差
妊活に対する夫婦間の意識の違いは、日常的なストレスの原因となります。
女性が日々の体調や排卵日などを強く意識することが多い一方で、男性はその切迫感を理解しにくい場合があります。
この温度差が毎日続くと、女性は「なぜ私ばかりが頑張っているんだろう」という孤独感を抱き、少しずつ不満が募ってしまうのです。
日々の生活の中で、妊活の話題が出るたびにギクシャクしたり、お互いにすれ違いを感じたりすることで、本来なら支え合うべき夫婦関係に溝ができてしまう可能性もあります。
そうした夫婦の温度差がストレスとなり、しんどさを感じる要因となっています。
3.義務的な性行為への嫌悪感やプレッシャー
妊活中の性行為は、愛情表現のための行為から「妊娠のため」という義務的な行為に変わってしまうことが多く、毎日のようにプレッシャーを感じる原因となります。
また、妊娠の確率を少しでも上げるために、「毎日性行為を行わないといけない」という義務感から来る性行為では、本来の愛情や楽しみを感じる気持ちが薄れてしまいかねません。
男性もこのプレッシャーから、勃起不全や射精障害といった性的な問題を抱えるケースも少なくないのです。
本来であれば心と体を結びつけるはずの行為が、義務感やプレッシャーに変わってしまうため、夫婦関係にさらなるストレスを生み出すことに繋がってしまうでしょう。
4.仕事との両立についての悩み
妊活中は、排卵日を予測するための体温測定や、タイミング法のためのスケジュール調整に追われることがあります。
さらに不妊治療を行なっている場合には、月に複数回の通院が必要になることも珍しくありません。
仕事を調整し早めに帰宅できるようにしたり、仕事の合間を縫って病院に通ったりする日々が続くと、職場に申し訳なさを感じたり、自分のキャリアに対する不安に直面したりすることがあります。
こうして毎日のように仕事と妊活のバランスを取ることに追われ、精神的にも肉体的にも疲弊していきます。
また、同僚や上司に相談しにくい状況では、1人で抱え込む負担がさらに大きくなります。こうした状況が続くと、治療のために休むことへの罪悪感や、日々の仕事の調整に追われるストレスが、心身を疲弊させてしまうのです。
5.周囲との比較によるプレッシャー
周囲からの「子どもはまだ?」という何気ない質問や、友人の妊娠報告などを素直に喜べない自分への自己嫌悪なども大きなストレス要因となっている場合があります。
また、SNSで妊活についてリサーチしていると、さまざまな人の妊娠・出産報告の投稿が流れてくることが多くなってしまいがちです。
特に芸能人などのニュースはテレビで取り上げられることも多く、完全に情報を遮ることが難しいのが現状です。
そういった投稿や情報を目にする機会が増えることで、自分と比較して落ち込んでしまう女性も少なくありません。「なぜ私だけ妊娠できないのか」という気持ちが強くなってしまうのです。
こうした比較による精神的負担が、妊活のしんどさに繋がってしまう可能性があります。
6.経済的な不安
妊活では、毎日のように使用するサプリメントや排卵検査薬など、細かな出費が日々積み重なっていきます。
妊活グッズは価格帯も幅広く、中には高額な商品もあるため、こうした出費が重なることで、少しずつ家計を圧迫する可能性が高まります。
さらに、不妊治療に取り組む場合には多額の費用がかかることもあるでしょう。保険適用が拡大されたとはいえ、長期的な治療では経済的な負担は重くのしかかります。
「これだけお金をかけても結果が出なかったらどうしよう」という不安は、治療や商品選びの際に常に付きまとい、毎日の選択を悩ませる大きな要因となります。
治療費のために貯蓄を切り崩したり、ローンを組んだりする夫婦も多いのが現状です。
そもそも妊活は毎日する必要がない?最適な性行為の頻度を解説!

「妊娠するには毎日性行為をしなければ」と思い込んでいませんか?実は、毎日の性行為は医学的に必要ありません。
適切な頻度を知り、夫婦の負担を軽減していきましょう。
- 妊娠と排卵周期の関係
- 妊活に最適な性行為の頻度
妊娠と排卵周期の関係
女性は月に1回、卵巣から卵子を放出します。これが排卵と呼ばれる現象です。排卵は月経開始から約14日後に起こります。ただし、この周期には個人差があるため注意が必要です。
妊娠が成立するには、排卵後約24時間以内に精子と受精する必要があります。
精子の寿命は女性の体内で約3〜5日間と言われているため、排卵前数日から排卵当日までが最も妊娠しやすい期間(妊娠可能期間)となるのです。
そのため、妊娠のために毎日性行為をする必要はなく、この妊娠可能期間に合わせて行うことが重要となります。
妊活に最適な性行為の頻度
妊娠を希望する健康な女性の場合、妊娠に成功するのは排卵日までの6日間に行われた性交によるものとされています。
排卵は必ず一定の周期で起こるわけではないため、常に精子が女性の体内に存在するように調整するのであれば、週3〜4回(1〜2日おき)に性行為を行うと良いでしょう。
ただし、性行為の頻度が週2〜3回でも妊娠の確率に大きな変化はないとされているので、お互いの生活リズムに合わせて、回数にこだわりすぎず、無理のない頻度にすることがおすすめです。
参考:Optimizing natural fertility: a committee opinion
毎日のしんどい妊活を乗り越えるために夫婦でできること

毎日の妊活に疲れてしまった時こそ、立ち止まって対処法を考えることが大切です。ここでは、夫婦で協力しながら、ストレスを減らし、妊活を続けていくための方法を5つ紹介します。
- 完璧主義をやめる
- 夫婦の「しんどい」を共有する
- 妊活から離れる時間を作る
- 適度な運動やリラックス法を取り入れる
- 専門家や第三者のサポートを頼る
完璧主義をやめる
妊活では「完璧にやらなければ」という考えが大きな負担になります。「毎日基礎体温を測る」「栄養バランスを完璧に」など、理想を追い求めすぎて疲れてしまう方が多いのです。
まずは「今日はできなくても大丈夫」という気持ちを持ちましょう。小さな目標を立て、達成した自分を褒めることから始めてみてください。
完璧を目指すのではなく、「今日できることをやればOK」という考え方に変えていくことで、妊活のしんどさを軽減できるかもしれません。
夫婦の「しんどい」を共有する
一人で抱え込まず、パートナーと気持ちを共有することも重要です。妊活中のしんどさや悩みを、素直に打ち明け、お互いの気持ちを共有していきましょう。
具体的な共有方法としては、直接伝える以外にも、メッセージアプリを使用して伝える、妊活アプリで共有するなどの方法があります。
直接伝えるのが難しいと感じる場合には、これらの方法を参考にしてみてください。
妊活から離れる時間を作る
妊活に集中しすぎると心の余裕がなくなってしまいます。あえて妊活から身を遠ざける時間を意識的に作ることも大切です。
一度肩の力を抜いて、自分の好きなことに挑戦してみるのも良いでしょう。旅行に行ったり、映画を見たり、趣味の習い事を始めてみたりなど、妊活が中心の生活から離れてみるのもおすすめです。
適度な運動やリラックス法を取り入れる
適度な運動は、ストレス発散に効果があるとされています。激しい運動ではなく、ウォーキングやジョギング、ヨガなどの有酸素運動を取り入れてみるのがおすすめです。
また、リラックス方法としては、アロマグッズや睡眠改善グッズなどを取り入れ、心と体を十分に休ませられるような環境を整えると良いでしょう。
夫婦で一緒に行える運動やリラックス方法を探し実践することで、コミュニケーションも自然に増え、夫婦関係にも良い影響が期待できます。
専門家や第三者のサポートを頼る
妊活のつらさから抜け出せないときは、1人で抱え込まず、専門家や第三者のサポートを頼ることが大切です。
まずは、かかりつけの医師や不妊治療専門のクリニックなどで相談してみましょう。治療方針だけでなく、精神的なつらさについても相談に乗ってくれる病院が増えています。
なかには、臨床心理士などの専門カウンセラーがいる病院もあります。
また、より気軽に話したい場合は、お住まいの地域の保健所や妊娠や不妊についての相談センターなどで相談してみるのも良いでしょう。匿名で相談できるところもあるので、安心して利用できます。
そして、同じ悩みを持つ人とのつながりも大きな支えとなります。SNSやインターネット上には、妊活に関するコミュニティーやグループが数多く存在するので探してみるのもおすすめです。
同じ経験をしている人と気持ちを共有することで、孤独感が和らぎ、気持ちが楽になることもあるでしょう。ただし、情報に振り回されすぎないよう注意が必要です。
また、身近な人でも、話を聞いてくれるだけで気持ちが整理できることがあります。妊活についてオープンに話せる友人や家族がいれば、頼ってみるのも良いでしょう。
専門家や友人、コミュニティーなど、自分に合った方法でサポートを求めることが、つらい気持ちから抜け出す第一歩となります。
毎日のしんどい妊活を乗り越えた実際の体験談3選

ここでは、毎日のしんどい妊活を乗り越えた夫婦の実際の体験談を3つ紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
- 【体験談1】我慢をやめてみた
- 【体験談2】旦那と本音で話し合った
- 【体験談3】生理を「心身をいたわる日」と考えて行動した
【体験談1】我慢をやめてみた
ダメダメと縛るのではなくたまには解禁したりするのはどうでしょうか?
結局、禁止してても出来ないのなら我慢せずに過ごすのが1番だと思います。
私もあれこれだめと決めつけてましたが、それをやめた次の月に赤ちゃんがやってきてくれました。
引用:Yahoo!知恵袋
妊活中やカフェインやアルコール、生ものなど控えた方が良いとされているものが多くあります。その全てを我慢し続けると、大きなストレスとなりかねません。
この方は、我慢がストレスになってしまいましたが、それをやめた途端に妊娠に成功したそうです。
全てを禁止して、我慢し続けるのではなく、適度に楽しみながらリラックスしたことで、良い影響があったのかもしれません。
我慢が辛いと感じている場合におすすめの方法と言えます。
【体験談2】旦那と本音で話し合った
子供子供となってますが旦那さんの考えは?申し訳ないとありますが何か言われましたか?
結局は憶測、私もそう思ってましたが旦那は言わなきゃわからないし私といたいから結婚した、子供は二の次と言われました。
もしかしたら主さんの旦那さんもそう思ってるかも。
子供より疲れてる主さんのが心配かもしれませんよ。
引用:Yahoo!知恵袋
こちらは、妊活に対する本音を夫婦で話し合ったという体験談です。
妊活に疲れ、離婚届まで書いたこともあるそうですが、子どもに対する本音を聞いたことで、夫婦で妊活を乗り越えることができたそうです。
子どもを授かれない期間が長くなるほど、ストレスが溜まってしまう方が多いとされています。まずは旦那の本音を聞き、お互いの妊活に対する思いを共有してみるのがおすすめです。
【体験談3】生理を「心身をいたわる日」と考えて行動した
頑張って妊活して生理が来たときそれは『1ヶ月頑張ったね。お疲れ様』と心身いたわる日と決めていました。
生理中は好きなことするためにリサーチし、生理明けはひとつだけ好きなレストランで食べたり、マッサージを受けたりしていました。
人それぞれですが、私はどんなに心身辛くても不妊治療を続けていれば、治療しないよりは妊娠に近づいているはずと信じていました。
引用:Yahoo!知恵袋
こちらは、生理を「心身をいたわる日」と決めていたという体験談です。
妊活中は、「生理が来るたびに落ち込んでしまう」という方も多いのではないでしょうか。
この方のように、生理期間中は好きなことを楽しむためのリサーチ期間に当てることで、つらい生理期間を前向きに過ごせるようになるかもしれません。
まとめ:妊活を「毎日しんどい」から「夫婦の絆」を育てる時間に変えていこう

毎日の妊活がしんどいと感じる背景には、ストレスによるホルモンバランスの乱れや、夫婦間の温度差、義務的な性行為への負担など様々な要因があります。
しかし、医学的には毎日の性行為は必要なく、週3~4回の適度な頻度で十分に妊娠の可能性は保てます。
大切なのは完璧主義をやめ、夫婦で「しんどい」気持ちを共有し合うことです。
妊活から離れる時間を意識的に作り、適度な運動やリラックス法を取り入れることで、ストレスを軽減できます。必要に応じて専門家のサポートを頼ることも重要です。
妊活は一人で抱え込むものではありません。お互いの気持ちに寄り添い、感謝の気持ちを伝え合いながら、妊活を夫婦の絆を深める大切な時間に変えていきましょう。
また、妊活中に「産み分け」に関心を持つ方もいらっしゃいます。産み分けの方法としては、性交のタイミングで調整するなどがあります。
最近では、産み分けに関心のある方の間で潤滑ゼリー(一般的に「産み分けゼリー」と呼ばれることもある)が話題になっているようです。
産み分けに関する詳しい情報や、こうした潤滑ゼリーなどについて気になる方は、こちらの記事もご参考ください。