「仕事も頑張りたい。でも、妊活・不妊治療とどう両立すればいい?」「いっそ仕事を辞めて、妊活に専念すべき?」など、妊活を始めてから、仕事と妊活の両立に悩んでいませんか。
妊活中は体調の変化に敏感になったり、急な通院が必要になったりと、仕事との両立は想像以上に難しくなるものです。
しかし、感情的に「辞める」と決めて後悔したくない方や、自分と似た状況の人の体験談から、納得できる選択をしたいという方も多いのではないでしょうか。
本記事では、妊活のために仕事を「やめる」か「続ける」かを判断するために必要な情報を、メリット・デメリット、判断するポイント、そして実際の体験談を交えて詳しく解説します。
妊活と仕事を両立しにくいと感じる理由とは

妊活や不妊治療と仕事の両立が難しいと感じる方には、さまざまな理由があります。ここでは、妊活と仕事を両立しにくいと感じる主な理由を7つ紹介します。
- 職場に妊活を言い出しにくい
- 妊活に合わせた柔軟な勤務制度がない
- 仕事の疲れから妊活に集中できない
- 妊活の長期化によるストレス
- 不妊治療のため頻繁な通院が必要になる場合がある
- 不妊治療の日が急に決まったり変わったりする
- 不妊治療による体調変化や副作用がある
職場に妊活を言い出しにくい
妊活は、非常にデリケートな内容です。そのため、職場の上司や同僚に「妊活をしています」と正直に伝えるのは難しいと感じる人が多いでしょう。
また、妊活を伝えた場合に、仕事の評価やキャリアに影響が出るのではないかという不安を抱える方もいるのではないでしょうか。
さらに、男性が多い、妊娠や不妊の話題が出にくいという職場では、伝えにくいと感じることが多くなりがちです。
特に、不妊治療を検討中の夫婦の場合、定期的な通院のために仕事の調整を依頼するのが難しいと感じてしまい、受診のタイミングが掴めなくなってしまう可能性もあります。
受診のタイミングが掴めない状況が続くと、仕事をやめれば悩まずに済むのでは?と考える方が多くなっていくのです。
妊活に合わせた柔軟な勤務制度がない
妊活中や不妊治療では、急な体調変化や医師の指示によって、勤務時間や日にちの調整が必要となることがあります。
しかし、多くの企業では、そうした突発的な休みや早退に対応できる柔軟な勤務制度が整っていないのが現状です。
例えば、治療のために平日の午前中に数時間だけ抜けたい、といった希望があっても、有給休暇しか選択肢がないケースは少なくありません。
短時間の通院に毎回有給を半日や1日使ってしまうと、あっという間に休暇が底をついてしまいます。
また、フレックスタイム制度や時差出勤制度があっても、職種や業務の特性上、実際には利用しにくいという職場もあるでしょう。
制度自体があっても、上司やチームの理解がないために申請をためらってしまうケースも見られます。
制度が形骸化してしまっている場合、仕事と治療を両立させたい人にとって大きな壁となってしまうのです。
仕事の疲れから妊活に集中できない
仕事で毎日疲労が溜まると、心身ともに妊活に取り組む余裕がなくなります。残業が多い、出張が頻繁にあるといった働き方は、妊活にとってマイナスに働くこともあるでしょう。
また、体力の消耗から、排卵日を把握するための基礎体温測定を忘れてしまう、パートナーとのタイミング法も疲れから挑戦できずに終わってしまうということもあります。
この肉体的・精神的な疲労が、「妊活に専念するために仕事を辞めた方が良いのでは」と考える理由の1つに繋がります。
特に、仕事のプレッシャーや責任感が強い人ほど、「どちらも中途半端になっている」と感じ、自己嫌悪に陥ってしまうこともあるでしょう。
妊活の長期化によるストレス
妊活や不妊治療は、いつ結果が出るか見通しが立ちにくいものです。治療期間が数か月から数年と長期化することで、精神的な負担が非常に大きくなります。
治療の成功を祈る気持ちと、なかなか結果が出ない現実とのギャップに苦しむ人は多いのが現状です。
特に、毎月生理が来るたびに「またダメだった」と落ち込み、そのストレスが仕事にも影響してしまうことがあります。
治療費の負担や、周囲の妊娠・出産報告を聞くたびに感じる孤独感も、ストレスを増大させる原因となります。こうした心理的な負担を抱えながら、職場で常に一定の態度を保ち続けるのは難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。
終わりが見えない状況で、「このまま妊活を続けてもいいのか」と迷いが生じ、仕事のモチベーション維持も難しくなってしまうことがあります。
不妊治療のため頻繁な通院が必要になる場合がある
不妊治療のステップが進むと、通院の頻度が格段に増えることが多いです。
特に、排卵誘発や採卵、移植といった段階に入ると、ほぼ毎日通院が必要になる時期もあります。
通院の頻度が高いと、その都度、仕事のスケジュールを調整しなければなりません。クリニックの診療時間も限られているため、朝一番や夕方の忙しい時間帯に抜け出す必要が出てくることもあるでしょう。
通院のための移動時間も含めると、半日、あるいは丸1日を費やすことも珍しくありません。この頻繁な通院が、業務を滞らせることにつながり、「同僚に迷惑をかけているのではないか」という罪悪感を生じさせやすくなります。
この状況を乗り切るには、職場での理解と、柔軟な働き方が不可欠ですが、すべての職場が柔軟に対応してくれるとは限りません。
そのため、いっそ辞めた方が迷惑をかけずに済むのでは?と感じてしまう方が多くなってしまう原因につながってしまうのです。
不妊治療の日が急に決まったり変わったりする
不妊治療では、患者の体の状態に合わせて治療スケジュールが組まれます。
排卵のタイミングやホルモン値によって、「明日の朝、もう一度来てください」「予定を変更しましょう」と、通院や処置の日程が急に決まったり、直前で変わったりすることも多いのです。
仕事の予定は、通常は数日〜数週間前から決まっていることがほとんどです。そのため、治療の都合で急な休みや早退の申請をしなければならないとき、職場に大きな迷惑をかけてしまうことへの不安が生じます。
この急なスケジュールの変更は、仕事をする上での大きな障害になります。特に、スケジュール管理が厳しく求められる職種や、代わりのきかない業務を担当している場合、突発的な変更への対応は難しいでしょう。
急なスケジュール変更のたびに、「仕事に穴を開けてしまった」という気持ちになる方も多く、妊活と仕事の両立に悩むことになってしまうのです。
不妊治療による体調変化や副作用がある
不妊治療では、ホルモン剤の注射や内服薬を使用することがあります。これらの薬の影響で、体調にさまざまな変化や副作用が現れることがあります。
具体的な副作用としては、吐き気、頭痛、腹部の張り、眠気、倦怠感、情緒不安定などがあります。これらの症状は個人差があり、予測できないタイミングで現れることもあるため、仕事中に急に体調が悪化することも考えられるでしょう。
体調が優れない状態で、集中力を保って仕事をするのは非常に難しいことです。また、体調不良を周りに悟られないよう振る舞うこと自体が、さらなる精神的な負担となってしまいます。
副作用が重い場合は、「この体調で仕事を続けるのは無理だ」と感じ、退職を検討する大きな理由の1つとなります。
妊活中「仕事を続ける」メリット

妊活を機に仕事を辞めることを考える人もいますが、仕事を続けることには多くのメリットがあります。ここでは、特に妊活・不妊治療と並行して働くことのメリットについて解説します。
- 安定した収入が得られる
- 気分転換になる
- 将来のキャリアにつながる
- 会社の支援制度を活用できる可能性がある
1.安定した収入が得られる
仕事を続ける最大のメリットは、安定した収入を継続して得られることです。
妊活中は、サプリや排卵検査薬の購入など、継続的に費用がかかる場合があります。特に、不妊治療には、数十万円から数百万円に及ぶ高額な費用がかかるケースもあるのです。
妊活や不妊治療が長期化するほど、経済的な負担は増大します。仕事を辞めてしまうと、この治療費を夫婦のどちらか一方の収入だけで賄うことになります。
家計全体の経済的な不安が増し、それが妊活のプレッシャーにつながる可能性もあるでしょう。
仕事を続けることで、治療費をしっかりと捻出できるため、金銭的な不安を軽減できます。また、将来子どもが生まれてからの教育費や生活費についても、経済的な基盤を確保できるでしょう。
収入が安定していることは、安心して治療に臨むための精神的な支えにもなるため、大きなメリットとなります。
2.気分転換になる
妊活や不妊治療は、精神的な負担が大きいものです。結果が出ない月が続くと、ついネガティブな気持ちになりがちです。気持ちが落ち込んでいる時、仕事が精神的な逃げ場や気分転換の場所になるでしょう。
仕事に集中している時間は、妊活のことを一時的に忘れることができます。職場の人間関係や業務を通して、社会とのつながりを感じることもできるでしょう。
また、仕事で成果を上げたり、同僚に感謝されたりすることで、自己肯定感を保つことができます。「妊活がすべて」という状態から抜け出し、自分の存在価値を再確認する機会にもなります。
仕事があることで、気持ちをリフレッシュし、治療への意欲を保つことにもつながるのです。
3.将来のキャリアにつながる
仕事を続けることは、将来のキャリアを中断させずに済むという大きなメリットがあります。
妊活期間中に退職してしまうと、治療が終わり、子育てが一段落した後に再就職したいと考えた場合、再就職先が見つかりにくい、以前より給与や待遇が下がるといったケースも珍しくありません。
また、せっかく築き上げてきたスキルや経験が、ブランクによって活かせなくなることも懸念されます。
仕事を続けていれば、「キャリアの中断」を防ぎ、妊娠・出産を経てもスムーズに復職することが可能となるでしょう。
特に、専門性の高い職種や管理職のポストを目指している人にとっては、キャリアを維持することが、長期的な人生設計において有利に働くかもしれません。
4.会社の支援制度を活用できる可能性がある
企業によっては、社員の妊活・不妊治療をサポートするための独自の支援制度を設けている場合があります。仕事を続けることで、これらの制度を積極的に利用できる可能性があります。
例えば、「不妊治療のための特別休暇」や、「治療費の補助金」といった制度です。このような制度を利用できれば、通院のための休みを取りやすくなり、経済的な負担も軽減できます。
また、フレックスタイム制度や時短勤務など、柔軟な働き方を認めてくれる制度を活用できる可能性もあります。
ただし、これらの制度はすべての会社にあるわけではありません。まずは、会社の就業規則や福利厚生を確認し、人事担当者などに相談してみることが大切です。
制度がなくても、上司に相談することで個別の配慮が得られる可能性もあります。
仕事を辞めてしまうと、これらの企業独自のサポートは一切受けられなくなってしまうため、退職前にしっかりと確認すると良いでしょう。
妊娠中「仕事を続ける」デメリット

仕事を続けることは多くのメリットがある一方で、妊活中はデメリットも生じやすくなります。ここでは、仕事を継続する場合に特に注意したいデメリットを3つ紹介します。
- 妊活と仕事のスケジュールを調整する必要がある
- 精神面の負担が増えやすい
- 仕事による身体的負担が続く
1.妊活と仕事のスケジュールを調整する必要がある
仕事を続ける場合、妊活や不妊治療の予定を仕事のスケジュールと調整する手間が発生します。
特に、不妊治療では、急な通院や処置が必要になることも多く、仕事の予定との両立が大きなストレスとなりがちです。
例えば、重要な会議や締め切りがある日に、急な通院が入ってしまうことがあります。その都度、上司や同僚に相談し、業務の引継ぎや調整を行う必要があります。
こういった状況が頻繁に起こると、職場に迷惑をかけているという罪悪感を抱きやすくなるでしょう。
また、治療のスケジュールを優先して仕事のペースを落とすと、仕事の評価に影響が出るのではないかという不安もつきまといます。
仕事を休まずに治療に通うためには、朝早く出勤したり、夜遅くまで残業して遅れを取り戻したりといった、無理な働き方をしなくていけないという可能性もあるでしょう。
このスケジュール管理の難しさが、両立のための大きな壁となってしまいます。
2.精神面の負担が増えやすい
妊活と仕事の両方を完璧にこなそうとすると、精神的な負担が非常に増えやすくなります。
仕事を続けていると、仕事のプレッシャーや責任から解放されることはありません。加えて、妊活特有の「いつ成功するかわからない」という不安や落ち込みも同時に抱えることになります。
つまり、仕事のストレスと妊活のストレスという、二重のストレスを抱える状態になりやすいのです。
特に、職場で妊活のことを秘密にしている場合、体調不良を隠して働かなければならないため、さらに精神的な負担が増します。
治療で疲れていても、無理に明るく振る舞うことで、心が疲弊してしまうこともあるでしょう。
精神的な余裕がない状態では、仕事の効率が下がったり、妊活にも悪影響を及ぼすことがあったりと、悪循環に陥ってしまうことがあります。
3.仕事による身体的負担が続く
仕事を続けている限り、仕事による身体的な負担は避けられません。
特に、立ち仕事や重労働、長時間労働などの、肉体的な負担が大きい仕事は、妊活中の体に大きな影響を与える可能性があります。残業や出張が続くと、体が十分に休まらないという状況に陥るでしょう。
疲労が蓄積すると、体調を崩しやすくなるだけでなく、妊活に必要な体調管理がおろそかになってしまうかもしれません。
また、デスクワークであっても、長時間同じ姿勢でいることによる血行不良や肩こり、腰痛なども、妊活中の女性にとっては無視できない負担となります。
妊活中「仕事をやめる」メリット

妊活のために仕事から離れる選択をすることで、大きな精神的・身体的なゆとりが生まれます。ここでは、仕事を辞めることで得られる具体的なメリットについて解説します。
- 仕事のストレスから解放される
- 生活リズムが整い、体調管理がしやすくなる
- 妊活や不妊治療に専念できる
1.仕事のストレスから解放される
仕事を辞める最大のメリットは、仕事が原因のストレスから解放されることです。
職場の人間関係の悩み、ノルマや納期へのプレッシャー、急な残業といったストレスは、心身に大きな負担をかけています。
ストレスは、ホルモンバランスを乱す要因の一つと考えられています。そのため、ストレスから解放されることは、妊活にとって非常にプラスに働くでしょう。
仕事と不妊治療の二重のプレッシャーから解放され、心の余裕につながります。
また、頻繁な通院のためのスケジュール調整の煩わしさからも解放されます。職場に気を遣う必要がなくなるため、精神的に楽になり、治療に集中しやすくなるでしょう。
「辞めてよかった」とすっきりした気持ちで妊活に取り組めることが、心の健康にもつながります。
2.生活リズムが整い、体調管理がしやすくなる
仕事を辞めることで、自分のペースで生活リズムを整えることが可能になります。特に、不規則な勤務時間や、夜勤がある仕事をしている人にとっては、大きなメリットとなるでしょう。
仕事が無くなることで、決まった時間に睡眠を取り、バランスの取れた食事を自炊するといった規則正しい生活を送ることができます。これにより、不規則な生活で乱れがちだったホルモンバランスが、改善につながる可能性も高まるでしょう。
また、体調の変化に合わせて、無理なく休めるようになります。不妊治療の副作用で体調が優れない日や、生理中でつらい日には、遠慮なく体を休ませてあげられます。
自分の体調に合わせて、妊活に最適な体調を維持しやすくなることは、大きなメリットです。
3.妊活や不妊治療に専念できる
仕事を辞めることで、時間とエネルギーをすべて妊活と不妊治療に注げるようになります。
仕事の都合を気にせず、最適なタイミングで妊活や治療のスケジュールを組むことができます。さらに、混雑している曜日や時間帯を避けて通院することも可能になり、クリニックでの待ち時間によるストレスも軽減できるかもしれません。
また、治療が急に決まっても、仕事の調整で悩むことがなくなります。
妊活のための食事改善や運動、情報収集にもじっくりと時間を使えるようになります。例えば、妊活レシピを試したり、ウォーキングやヨガといった適度な運動を取り入れたりする時間が増えるでしょう。
精神的にも身体的にもゆとりができることで、治療に前向きな姿勢で取り組めるようになることが、仕事を辞める大きなメリットです。
妊活中「仕事をやめる」デメリット

仕事をやめる場合には、感情的な決断ではなく、冷静にリスクを把握しておくことが重要です。ここでは、妊活のために仕事をやめるデメリットについて紹介します。
- 収入が減少する・ゼロになる
- 孤独を感じやすくなる
- 給付金などが受け取れない可能性がある
1.収入が減少する・ゼロになる
仕事を辞めてしまうと、それまで得ていた収入が大幅に減少、またはゼロになることが最大のデメリットです。
妊活や不妊治療以外にも、毎日の生活費は変わらず必要になります。さらに、不妊治療の中には、保険適用になったとはいえ、高額な治療費がかかる場合が多くあります。
収入が減る、またはなくなると、家計への経済的な負担が一気に重くなります。この金銭的な不安が、新たなストレスとなり、妊活に悪影響を及ぼす可能性も否定できません。
また、治療が終わっても再就職するまでの期間が長引くと、さらに貯金を切り崩すことになり、将来の生活設計や子どもの教育費にも影響が出ることもあるでしょう。
仕事を辞める前に、まずは妊活や不妊治療費はもちろん、普段の生活費の目安を試算し、どれくらいの期間、収入ゼロでも生活できるかを具体的に把握しておくと安心です。
2.孤独を感じやすくなる
仕事を辞めると、社会との接点が減り、孤独を感じやすくなることがあります。
特に、仕事にやりがいを感じていた人にとっては、生活の中心が妊活だけになることで、精神的なバランスを崩しやすいかもしれません。
毎日の生活が、自宅での療養やクリニックなどへの通院が中心になると、視野が狭くなってしまいがちです。
友人や知人は、仕事や子育てで忙しく、妊活の悩みを気軽に相談できる相手がいないと感じる人も多いのではないでしょうか。
また、家に一人でいる時間が長くなると、ネガティブな思考に陥りやすくなります。
また、パートナーが仕事に行っている間、一人で治療の結果を待つ状況が続くと、精神的な孤立感が強くなることもあります。孤独感は、妊活のストレスをさらに増幅させる原因にもなりかねないため、注意が必要です。
仕事以外の社会的なつながりや、気分転換できる趣味を確保しておくと良いでしょう。
3.給付金などが受け取れない可能性がある
退職の仕方やタイミングによっては、本来受け取れるはずの公的な給付金や手当がもらえなくなる可能性があります。これは、金銭的な面で大きな痛手となるデメリットです。
例えば、会社員が退職する際、一定の条件を満たせば失業手当を受け取ることができます。しかし、自己都合退職の場合、給付が始まるまでの期間が長くなるなどの制限があります。
また、仕事を辞めて国民健康保険に切り替えた場合、傷病手当金などの会社の健康保険独自の制度は利用できなくなります。
特に、治療中に体調を崩し、働けない期間が生じた場合に受け取れる傷病手当金は、会社の健康保険に加入していることが条件です。仕事を辞める前に、社会保険の制度や給付金の受給資格をしっかり確認しましょう。
また、妊活が成功し、出産に至った場合にも出産手当金(健康保険独自の制度)が受給できなかったり、育児休業給付金が受け取れなかったりする可能性があります。
受け取れるはずのお金を受け取れず、経済的に苦しくなる事態を避けるためにも、事前に給付金の制度と受給資格を確認することが大切です。
妊活中仕事を辞めるか続けるかを判断するためのポイント

仕事を「辞める」か「続ける」かの選択は、個人の状況によって最適な答えが異なります。後悔しない決断をするために、ここでは客観的な視点で判断するための具体的なポイントを解説します。
- 家計の状況から判断する
- 体調やメンタルの状態で判断する
- 職場環境や制度で判断する
- 旦那の協力が得られるかで判断する
家計の状況から判断する
仕事を辞めるかどうかを決める上で、経済的な状況は最も重要な判断基準の1つです。
まずは、現在の家計がどの程度妊活に関する費用と生活費を賄えるのかを、具体的に把握しましょう。
ポイントは、「目標とする治療期間に必要な総額」を計算することです。
例えば、不妊治療を開始する可能性がある場合、保険適用外の費用も含め、1年間でどれくらいの治療費がかかるのかを試算します。その上で、仕事を辞めた後の世帯収入がどのくらいになるかを計算してください。
現在の貯蓄額と世帯収入で、目標とする期間、治療費を払いながら生活を維持できるかを確認しましょう。
もし経済的に余裕がないと判断されるなら、仕事を続ける方が賢明です。仕事を続けることで、治療費の不安を減らせるメリットは非常に大きいでしょう。
お金の不安を最小限に抑えることは、その後のストレス軽減につながります。
体調やメンタルの状態で判断する
仕事の継続が心と体の健康を損なっていないかどうかも、重要な判断材料です。無理をして体を壊してしまっては、妊活以外の生活にも悪影響があります。
体調面で考えると、仕事による疲労が強く、体調不良や生理不順が続いている場合は要注意です。
また、不妊治療の副作用が重く、仕事に集中できない状態が慢性化しているなら、休職や退職を検討すべきかもしれません。
メンタル面では、仕事のストレスで気分が落ち込みやすいかどうかを確認しましょう。
仕事のプレッシャーや人間関係の悩みが、妊活のストレスと重なり、精神的に追い詰められていると感じるなら、一度立ち止まるべきサインです。
心身の状態が悪い状態では、妊活にも悪影響を及ぼす可能性があります。自分の心と体の健康を最優先し、専門家にも相談しながら、仕事の継続が心身の負担になっていないかを見極めていきましょう。
職場環境や制度で判断する
今の職場で妊活への配慮や支援制度が整っているかどうかは、仕事を続けるかどうかの判断を大きく左右します。まずは、会社の就業規則を確認することが大切です。
具体的な制度として、不妊治療のための特別休暇や、フレックスタイム制度、時短勤務制度があるかを確認しましょう。
もし、制度がない場合でも、上司や人事に個別に相談し、通院のための時間調整が可能かどうかを話し合ってみてください。
最も重要なのは、「職場の理解」があるかどうかです。制度があっても、上司や同僚からの理解が得られないと、休みを取るたびに強いプレッシャーを感じてしまいます。
相談をした時の職場の反応を見て、精神的に安心して働き続けられる環境かどうかを判断するのも良いでしょう。
旦那の協力が得られるかで判断する
妊活と仕事の両立を考える際、パートナーの協力体制は必要不可欠な要素です。1人で悩みを抱え込まず、相談することが大切です。
まず、夫婦で家計の状況やキャリアプランについて、率直に話し合う時間を作りましょう。仕事を辞めた場合、収入減をどうカバーするのか、治療費の負担をどう分担するのかを明確にしておくと安心です。
また、通院日の送迎、家事の分担、精神的なサポートなど、日常生活での協力が得られるかも重要です。
「妊活は女性だけの問題ではない」という意識を持ち、協力して妊活に取り組む体制が整っているかを確認すると良いでしょう。
旦那さんの理解とサポートが得られることは、仕事を続けるかやめるかを判断する上での大きな材料になります。
妊活中仕事を「やめた人」「続けた人」の体験談

ここでは、実際に妊活中に仕事を「やめた人」「続けた人」それぞれの体験談を紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
- 妊活中仕事を「やめた人」の体験談
- 妊活中仕事を「続けた人」の体験談
妊活中仕事を「やめた人」の体験談
私は辞めました。
少人数の会社で、私の前に勤めてた女性が「「妊娠したのでヤメます」と言って急に辞められた事があってその時は、困った…もし、妊娠の予定があれば早目に言って欲しい」と社長から言われてたので。
引用元:Yahoo!知恵袋
こちらは、妊活を始めたタイミングで仕事をやめた人の体験談です。職場の理解が得られない環境であったことが大きな要因となっています。
私は後悔していません(^_^)
辞める前は、主さまと同じようにとっても悩みました(>_<)
でも…
治療を後回しにしたくない、と。
旦那さまともたくさん話し合って2人とも納得のうえで昨年辞めました。
今は、仕事に遅刻したり休みを取ったりするストレスが
なくなって治療と旦那さまのくらしに専念しています☆
引用元:Yahoo!知恵袋
こちらは、正社員を辞めて治療に専念した方の体験談です。不妊治療と仕事の両立に悩んでいたそうですが、パートナーと相談の上退職を選びました。
現在は仕事のストレスから解放され、妊活に前向きに取り組んでいるそうです。
私は体外受精をしてましたので仕事を辞めました。お金の事もありできれば続けたかったですが、職場の人数的に周りに迷惑をかける為辞めました。
友達からは辞めて家にいると不妊治療の事をずっと考えるから働いてた方が良いよと言われましたが、私は年齢もあり(当時40歳直前)、保険内のみ挑戦するって決めて短期集中で病院に通いました。1年半で妊娠判定がもらえました。
仕事のストレス、人付き合いのストレスからは解放されたのは良かった点ですね。休みのお伺いをたてずにすむのは。
デメリットは当たり前ですが収入がなくなるので貯金が減る点ですね。
保険適応になったので自費と比べると断然安くはなりましたが、お金面で我慢する事は増えました。
引用元:Yahoo!知恵袋
こちらは、不妊治療のステップに合わせて、退職を選んだという方の体験談です。職場のストレスから解放されるというメリットはありましたが、収入が減ったため、金銭面での我慢が増えてしまったそうです。
妊活中仕事を「続けた人」の体験談
個人的な感想は、仕事はやめないほうがいいです。
お察しの通り、治療のことばかり考えて、経済的な心配も大きくなり、それがストレスになり就活を始めました。
「治療しかしてないのに成果もない」「お金を使っているだけの存在」「社会的な繋がりもない」
そんなことばかり考えていました。
わたしも同じように、再就職先の職場は治療にも理解があり両立できました。
採卵日が急に決まり上司との出張と重なった時も、上司だけ行くからいいよ、と配慮してくださりました。
だからこそ、辞めなくてよかったです。
引用元:Yahoo!知恵袋
一度正社員をやめて不妊治療に専念した後、再就職を経て仕事と治療を両立したという方の体験談です。
仕事を「やめる」「続ける」のどちらの状況も経験した上で、職場の理解があれば続けた方が、経済的にも精神的にも良いと語っていました。
個人的には辞めない方がいいです。
クリニックによっては働きながら通えるところもあります。(実際にわたしは辞めずに通えています)
時短で働ける環境がある以上、辞めるのは勿体無いです。給付金もあるないは大きいです。もし転職しても1年以上働かないと産休取れません。
引用元:Yahoo!知恵袋
こちらは、不妊治療と仕事を両立させている方の体験談です。仕事を続けることで、給付金や産休などの制度が利用できるのは大きなメリットと言えます。
時短勤務などの制度が整っているのは、妊活中の女性にとって嬉しいポイントです。
フルタイム正社員で退職もやむを得ないと思いながら会社に体外受精をすることを申し出ましたら、この先いくらかかるか分からないからと引き止められ、配慮して頂きながら仕事を続けました。
結局そこから400万円近く費用がかかり、退職した場合は貯金が底をついていたと思うので会社には感謝しかありません。
引用元:Yahoo!知恵袋
不妊治療について職場に相談したところ、配慮を受けながら続けることができたという方の体験談です。
不妊治療では、保険適用になったとはいえ、まだまだ高額な治療費が必要になることも多く、収入が続くのは大きなメリットです。
まとめ:妊活と仕事で悩む人は多い!後悔しない選択をしよう

妊活と仕事の両立は難しく、多くの女性が「辞めるべきか、続けるべきか」という大きな悩みに直面しています。
後悔しない選択をするためには、まず「家計の状況」「体調・メンタル」「職場の制度」「旦那の協力」といった視点から、メリットとデメリットを客観的に比較しましょう。
仕事を続けるなら、支援制度の確認と柔軟な働き方への相談が不可欠です。辞める場合は、経済的なリスクと孤独感への対策を考えておくと良いでしょう。
大切なのは、夫婦でキャリアや家計、今後の妊活についてを正直に話し合い、今の自分たちにとってベストな条件と期間を決めることです。
今回紹介した体験談も参考に、後悔しない選択をしていきましょう。
妊活を進める中で、「産み分け」に関心を持つ方もいらっしゃいます。産み分けの方法としては、性交のタイミングで調整するなどがあります。
最近では、産み分けに関心のある方の間で潤滑ゼリー(一般的に「産み分けゼリー」と呼ばれることもある)が話題になっているようです。
産み分けに関する詳しい情報や、こうした潤滑ゼリーなどについて気になる方は、こちらの記事も参考にしてみてください。

