「妊活を始めたけれど、やってはいけない事はある?」「妊娠しやすい体づくりのために気を付けるポイントは?」そのような疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、妊活中にやってはいけないNG行動を「男女共通」「女性」「男性」の3つの視点から詳しく解説します。
妊娠しやすい体づくりを目指すために、食事や生活習慣で気を付けるべき点を知りたい方におすすめの内容です。具体的なNG行動を知り、より健康的な妊活生活を送るための参考にしてみてください。
妊活中やってはいけない事【男女共通】

妊活中やってはいけない事について、まずは男女共通の注意点を3つ紹介します。具体的な影響についても詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
- 喫煙
- アルコールの摂りすぎ
- ストレスを溜め込まない
1.喫煙
喫煙は妊活中の男女双方にとって悪影響を及ぼします。女性の場合は、卵子の質や量を低下させ、流産や早産のリスクを高める可能性が指摘されており、男性の場合は、精子の数や運動率を低下させる可能性があります。また、受動喫煙も妊活に悪影響を与えるため、パートナーが喫煙者の場合は禁煙を勧めましょう。
厚生労働省のQ&Aによると、妊娠中の喫煙は胎児の発育に悪影響を与えるとされています。低出生体重児や早産のリスクを高める可能性が指摘されているため、妊活中から禁煙に取り組むことで、妊娠後の悪影響を最小限に抑えられるでしょう。
2.アルコールの摂りすぎ
過度のアルコール摂取も妊活中の男女にとって悪影響となります。
女性の場合、月経不順や排卵障害を引き起こす可能性があるとされていて、月経周期中のアルコール摂取量と妊娠の関係を調査した論文では、多量の飲酒をしていた女性は飲酒をしていない女性よりも妊娠の割合が低下したとされています。女性だけでなく、男性の場合も、精子の質を低下させる可能性が懸念されているため注意が必要です。
また、国立成育医療研究センターによれば、アルコールは胎児の成長に悪影響を与える可能性があり、先天異常や胎児発育遅延を高めることが示唆されています。妊活中からアルコールを控え、リスクを最小限に抑えていきましょう。
参考:Anwar MYら.Hum Reprod. 2021.DOI: 10.1093/humrep/deab121
参考:国立成育医療研究センター お酒やタバコに関する Q&A
3.ストレスを溜め込まない
ストレスはホルモンバランスを乱すことが知られており、妊活に悪影響を与える可能性があります。女性の場合、排卵障害や月経不順につながる可能性があり、男性の場合も精子の質の低下につながる可能性があるとされます。
ストレスを解消するためには、自分に合った方法を見つけることが大切です。例えば、軽い運動やヨガなどは心身をリラックスさせる効果が期待できます。簡単な運動以外にも、好きな音楽を聴いたり、映画鑑賞を楽しんだり、趣味に没頭する時間もストレス発散につながるためおすすめです。
また、妊活に関する悩みや不安でストレスを感じている場合は、専門機関に相談することも考えてみましょう。不妊治療専門クリニックや婦人科、カウンセリング機関などでは、様々なサポートを受けることができますよ。
妊活ストレスの原因や影響については、以下の記事でも詳しく解説しているので、あわせて参考にしてみてください。
妊活中やってはいけない事【女性編】

妊活中は、妊娠しやすい体づくりを意識することが大切です。そのためには、女性は特定の食品の摂取を控えたり、生活習慣を見直したりする必要があります。
ここでは、妊活中の女性が特に気をつけたい「やってはいけない事」を詳しく解説します。
- 生魚やナチュラルチーズなどの摂取(食中毒リスクあり)
- トランス脂肪酸の多い食事
- カフェインの摂りすぎ
- 睡眠不足
- 体を冷やす
- 過度な運動や無理なダイエット
1.生魚やナチュラルチーズなどの摂取(食中毒リスクあり)
食中毒は、胎児の発育に悪影響を及ぼす可能性が懸念されており、妊娠期間中は食中毒のリスクがある食品の摂取を控えるように指導されることがあります。そのため、妊活中から食中毒予防を意識しておくことが大切です。
特に、リステリア菌やトキソプラズマ原虫による食中毒のリスクを避けるため、生魚(刺身、寿司など)、ナチュラルチーズ、加熱不十分な肉類、生卵などは控えましょう。加熱処理が不十分な場合、食中毒の原因となる菌が存在する可能性があるため、魚や肉類、卵に関しては加熱調理がおすすめです。
2.トランス脂肪酸の多い食事
トランス脂肪酸は、マーガリン、ショートニング、揚げ物などに多く含まれる油脂の一種です。過剰摂取すると、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が増加し、HDLコレステロール(善玉コレステロール)が減少するなど、脂質代謝に悪影響を及ぼす可能性があります。これは、動脈硬化や心疾患のリスクを高めることにつながり、妊娠中の合併症のリスクを高める可能性が指摘されています。
妊活中は、これらの食品の摂取量を控え、バランスの良い食生活を心がけましょう。例えば、揚げ物よりも焼き魚や煮物、炒め物などを選ぶ、お菓子やスナック菓子の代わりに果物やヨーグルトを選ぶなどの工夫をしてみると良いでしょう。
3.カフェインの摂りすぎ
カフェインは、コーヒー、紅茶、緑茶などに含まれる成分です。過剰に摂取すると、めまい、動悸、不眠などの症状が現れることがあるため注意が必要です。また、カフェインには利尿作用があり、体内の水分を排出してしまうため、脱水症状を引き起こす可能性もあります。さらに、カフェインの過剰摂取は、流産や早産のリスクを高める可能性も指摘されています。
カナダ保健省からの発表によると、妊活中は、カフェインの摂取量を1日300mg以下に抑えることが推奨されています。コーヒー1杯には約100mgのカフェインが含まれているため、1日にコーヒーを飲む場合は3杯までにとどめましょう。
また、カフェインレスのコーヒーや紅茶、麦茶など、カフェインを含まない飲み物を選ぶのもおすすめです。
参考:東京都『コーヒーにはカフェインが含まれているので、飲むと胎児に影響があると聞きました。本当ですか?【食品安全FAQ】』
4.睡眠不足
睡眠不足は、ホルモンバランスが乱れる原因となっており、排卵や月経周期に影響を及ぼす可能性があります。また、免疫力の低下にもつながり、感染症にかかりやすくなることも心配されています。そのため、質の良い睡眠を十分にとることは、妊活において非常に大切です。
毎日同じ時間に寝起きする、寝る前にカフェインを摂取しない、リラックスできる環境を作るなど、睡眠の質を高める工夫をしてみると良いでしょう。
5.体を冷やす
体が冷えると、血行が悪くなり、子宮や卵巣への血流が滞ってしまう可能性があります。妊活の大切なポイントとして、体を温めることを不妊治療などで指導されることもあります。
冷房の使いすぎに注意する、冷たい飲み物や食べ物を控える、温かいお風呂にゆっくり浸かる、腹巻やレッグウォーマーなどで下半身を温めるなど、自分にできることから始めてみるのがおすすめです。
6.過度な運動や無理なダイエット
過度な運動や無理なダイエットは、ホルモンバランスを崩し、排卵障害や無月経を引き起こす可能性があります。適度な運動は、血行促進やストレス解消に効果的ですが、過度な運動は逆効果となる可能性があります。妊活中は、ウォーキングやヨガなど、軽い運動を適度に行うようにしましょう。
また、無理なダイエットは避け、バランスの良い食事を心がけましょう。特に、妊娠に必要な栄養素である葉酸、鉄分、カルシウムなどは、積極的に摂取するようにしましょう。バランスの良い食事と適度な運動で、健康的な体づくりを心がけるのがおすすめです。
厚生労働省から「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」が公開されています。ぜひ参考にしてみてください。
参考:厚生労働省『妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針』
妊活中やってはいけない事【男性編】

妊活中は、女性だけでなく男性にも気を付けてほしい生活習慣や行動があります。精子の質や量、そしてホルモンバランスは、日々の生活に大きく影響を受けます。これからパパになるために、今からできることを始めてみましょう。
- 下半身を圧迫・刺激する
- 睾丸を温めすぎる
- 偏った食生活
1.下半身を圧迫・刺激する
下半身を圧迫するような服装は、血流を悪くし、精巣の温度を上昇させて精子の生成に悪影響を与える可能性があります。タイトなジーンズや下着は避け、ゆったりとした服装がおすすめです。また、自転車の長時間乗車も、サドルによる圧迫で血流が悪くなるため注意が必要です。
自転車の乗車と同様に、仕事中などで長時間座っている場合も血流が悪くなってしまいます。たまに立ち上がったり体勢を変えたりして、圧迫を軽減していきましょう。
さらに、過度な刺激も控えるべきとされています。性行為などの頻度が多すぎると、精子の濃度が低下する可能性があるとされているため、バランスの良い性生活を心がけることが大切です。
参考:One day is better than four days of ejaculatory abstinence for sperm function
2.睾丸を温めすぎる
精子は熱に弱いため、睾丸を温めすぎる行為は、精子生成に悪影響を与える可能性があります。熱いお風呂に長時間浸かる、サウナに頻繁に通うなどは避けましょう。パソコンなどの電子機器を長時間膝の上に置くのも、局部的な温度上昇につながるため注意が必要です。
理想的な精巣の温度は、体温より2~3度ほど低く保たれている状態が適しているとされています。股間の蒸れも温度上昇に繋がってしまい精子にとって良くないため、通気性の良い素材の服を選び、夏場など汗で蒸れた時は汗をしっかり拭いたり、着替えたりするようにしましょう。
また、夏場などはこまめに休憩を取り、体を冷やす工夫をすることが大切です。ただし、冷やすと言っても、冷やしすぎるのは逆効果なため、適度な温度管理を心がけましょう。
3.偏った食生活
精子の生成には、バランスの良い食事が不可欠です。特に、ミネラルや必須アミノ酸、ビタミンE、ビタミンCなどが精子の健康に良い影響を与えるとされています。穀物や果物などに多く含まれているため、積極的に摂取しましょう。
一方で、加工食品やインスタント食品、糖分の多い食品の過剰摂取は、栄養バランスを崩し、精子の質を低下させる可能性があります。肥満も精子の質を低下させるという研究結果も出ているため、バランスの取れた食生活を送り、健康的な体を維持していきましょう。
妊活中におすすめの食事は?

妊活中は、バランスの良い食事を摂ることが大切です。ここでは、妊活中におすすめの食事について、栄養素ごとに詳しく解説します。
- タンパク質を多く含む食材
- ビタミンDを多く含む食材
- 葉酸を多く含む食材
タンパク質を多く含む食材
タンパク質は、細胞の生成やホルモンバランスの調整に不可欠な栄養素です。妊活中は、赤ちゃんの成長に必要な体づくりをサポートするためにも、十分なタンパク質を摂取しましょう。
タンパク質は肉、魚、卵、大豆製品、乳製品などに多く含まれています。例えば、鶏むね肉は高タンパク質かつ低脂肪で、良質なタンパク質源となります。また、鮭はタンパク質に加えて、妊娠初期に重要な葉酸も豊富に含んでいるためおすすめです。
豆腐や納豆などの大豆製品は、植物性タンパク質を摂取できるだけでなく、女性ホルモンに似た働きをするイソフラボンも含まれています。イソフラボンは肌質を改善してくれるなどのメリットがあるのも嬉しいポイントです。
ビタミンDを多く含む食材
ビタミンDは、カルシウムの吸収を促進し、骨の形成を助ける栄養素です。妊娠中は、胎児の骨の成長にも関わるため、十分なビタミンDを摂取することが大切です。ビタミンDは、鮭、いわし、卵黄などに多く含まれています。
例えば、カツオや鮭はタンパク質だけでなくビタミンDも豊富に含んでおり、妊活中にぴったりの食材です。きのこ類にもビタミンDが含まれていて、特に干ししいたけはビタミンD含有量が高いのでおすすめです。
また、適度な日光浴もビタミンDの生成を促す効果があります。週に2〜3回程度の日光浴でも効果があるとされているため、意識的に日光を浴びるようにしましょう。
葉酸を多く含む食材
葉酸は、細胞分裂やDNA合成に関わる重要な栄養素です。特に妊娠初期には、胎児の神経管閉鎖障害のリスクを低減するために、十分な葉酸の摂取が推奨されています。葉酸は、ほうれん草、ブロッコリー、レバーなどに多く含まれています。
ほうれん草は、葉酸以外にも鉄分やビタミンCなど、妊活中に必要な栄養素を豊富に含んでいますし、ブロッコリーはビタミンCや食物繊維も豊富で、バランスの良い食事に役立つ食品です。
レバーは葉酸の含有量が非常に高いですが、ビタミンAの過剰摂取に注意が必要なため、ビタミンAが多い牛レバーは避け、鶏レバーや豚レバーを適量摂取するのがおすすめです。
まとめ:妊活中にしてはいけない事を守って妊活を充実させよう!

妊活は、赤ちゃんを迎えるための大切な準備期間です。
喫煙は男女ともに妊娠の確率を低下させる可能性があり、女性はカフェインの過剰摂取や体を冷やすことも避けると良いでしょう。また、男性は下半身を圧迫するような服装や、睾丸を温めすぎる行為は精子の活動を制限してしまう可能性があるため避けるのがおすすめです。
さらに、妊活中はバランスの良い食事を心がけることも大切です。タンパク質、ビタミンD、葉酸など、妊娠に良い影響を与える栄養素を積極的に摂り入れましょう。具体的な食材としては、鶏肉や魚、卵などのタンパク質、鮭やきのこ類などのビタミンD、ほうれん草やブロッコリーなどの葉酸が豊富な食材がおすすめです。
また、妊活に励んでいるカップルの中には、産み分けにチャレンジしている方もいます。産み分けとは、女性の膣内の環境をアルカリ性か酸性に傾けるよう調整することで、希望の性別の赤ちゃんを授かれるように挑戦することです。
産み分けについての詳しい情報を知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。